大好きな「Special effects hero(Tokusatsu hero)in Japan~ 日本の特撮ヒーロー」について、書いていきます。
2010年9月26日日曜日
Tokusatsu_P-Production_Jaguar man_Hyou man
怪獣ブーム華やかなりし時代。
円谷ウルトラシリーズという、絶大な人気を誇る太陽のような存在にかくれて、
ひっそりと怪獣番組を作り続けていた製作プロダクションがありました。
その名は「P-Production」。
【Tokusatsu 界の月見草】のような存在だった、という人もいます。
最後までマイナーな存在であった P-Production。
しかし、私は P-Production が制作した「マグマ大使」や「スペクトルマン」、「怪傑ライオン丸」、
「電人ザボーガー」などを、幼少の頃 観ていましたが、
決して、円谷にも東映にも劣っているとは思いませんでした。てか、今も思っていません。
「マグマ大使」は、「ウルトラマン」よりも先に(1週間だけですが)、
「ウルトラマン」同様に『巨大なヒーローが怪獣と戦う』、というコンセプトで、放送されたそうです。
それがタイミングが悪い事に、1週間後に「ウルトラマン」の放送が始まり、圧倒的な人気を
勝ち取ってしまったため、たちまち「マグマ大使」の存在が、薄くなってしまったのです。
もし、「ウルトラマン」と放送時期が かぶってなかったら・・・。
「マグマ大使」は大ヒットし、もっと有名で、
長く歴史に残る記念碑的な作品になったかもしれませんね。
その「マグマ大使」が好調だった時期、P-Production は、
今度は原作なしのオリジナル作品の企画をフジテレビに持ち込むため、
いまや幻の作品として誉れ高い『Jaguar man』のパイロットフィルムを制作。
実物大の怪獣の頭や、渡辺善夫によるリアルアニメとミニチュアの合成などの
見せ場を盛り込んで、フジテレビに持ち込みました。
これに並行して、コミカライズ版が「冒険王」誌上で連載されましたが、
フジテレビ側の「金色の仮面ではなく、もっと野獣的なイメージが欲しい」と回答で、企画は再検討となりました。
そして、企画再検討の結果、『Hyou man』が新たに生み出され、
いったん「怪獣王子」の後番組に決定し、昭和43年4月からの放映予定で、
少年誌でも特集が組まれましたが、フジテレビの編成人事による事情で停滞し、
結局お蔵入りになってしまったのです。
「マグマ大使」の後 P-Production は、「怪獣番組にヒーローはいらない」とばかりに、
とことん恐竜にこだわった「怪獣王子」を世に放ちますが、
ただ恐竜が出ているだけ、という工夫のなさは、世間には受け入れられず、
人気は得られませんでした。
「怪獣王子」が散々な結果であったのを受けて、
「やっぱり、怪獣番組にはヒーローが必要だ」と思い直したのか、
ともすると「ウルトラマンのパチモン」(爆)と呼ばれてしまいそうな、
新しいヒーローを生み出したのです。
それが「スペクトルマン」でした。
番組開始当初は、ヒーローではなく敵の名前である「宇宙猿人ゴリ」というタイトルでしたが、
番組が進むなか、「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」とタイトルを変更、
さらに「スペクトルマン」に変更と、最後には 主役のヒーローの名前が、
番組タイトルを飾ることとなりました。
しかし、同じ番組で 3回もタイトルが変わるって、珍しいですよね。
一番最初のタイトルが、敵の名前だったところを見ると、P-Production としては やっぱり、
ヒーローよりも、怪獣の方に力を注ぎたかったのかなーとか、思っちゃいます。
それを裏付ける証拠と言っては何ですが、「マグマ大使」、「怪獣王子」のシンプル路線とは
うって変わって、怪獣勢のデザインが、なんとも奇抜で、個性的なものばかりなんです。
ほんの一例を挙げますと、
巨大なゴキブリの怪獣・ゴキノザウルス(← すっごいイヤかも(汗))、
2つの首を持つねずみと鳥の合体怪獣・ネズバードン、
上半身はモグラ、下半身はナマズという驚きのデザイン・地震怪獣モグネチュードン、
不気味な1つ目の白蟻怪獣・バクラー、などなど。
・・・ なんかアイディアがすごいでしょ?斬新っていうか。
しかもネーミングが、とてもわかりやすい。(笑)
こういった個性あふれる、傑作怪獣を次々と世に送り出した「スペクトルマン」でしたが、
これだけの魅力的な怪獣を揃えたにもかかわらず、残念ながら番組の存在自体は、
マイナーなまま 終わってしまったのです。
それは なぜか?
実は P-Production は、ここでも運悪く、「帰ってきたウルトラマン」と放送時期が重なってしまい、
人気をそっちの方に持っていかれてしまったのです。(涙)
一度ならず二度までも、「ウルトラマン」にしてやられてしまった P-Production。
やはり 「Tokusatsu 界の月見草(=怪獣界の日陰者)」(酷)となる運命を背負っているのか?!
「ピープロ」って画数が9画で、9画って「頭は切れるけど嫌われ者」の数やし。(爆)
しかし P-Production は、その後も怪獣番組を作り続けることをやめませんでした。
東映が「仮面ライダー」をヒットさせ、『等身大ヒーロー 対 怪人』の対決が人気を
博しているのを知ると、「ならばこちらも怪人番組だ!」と、時代劇と等身大ヒーローを
組み合わせた異色作「快傑ライオン丸」を製作します。
変身ヒーローブームの時流に乗り、ライオン丸は そこそこの人気を獲得。
勢いづいた P-Production は、第2弾として「快傑ライオン丸」の続編「風雲ライオン丸」を製作しますが、
放送当時は、今のように「二番煎じでも 世間に受け入れられる」という甘っちょろい時代ではなかったため、
すっかり飽きられてしまったようで、こちらはヒットすることなく、マイナーヒーローの烙印を押されてしまいました。
「やはり仮面ライダーのように、バイクがなくてはダメだ!」と気づいた、というか思い込んだのか、
P-Production が次に世に放ったのは、バイクが変形してロボットになる「電人ザボーガー」でした。
主演は、仮面ライダーV3で「ライダーマン」を演じた 山口暁さんを起用しました。
この事から、P-Production のライバルは、円谷プロから「仮面ライダー」の東映へと移ったんだな、と
想像できます。
しかし、そんな「ザボーガー」も、がんばっては見たものの、
やはりマイナー路線を突っ走る運命を背負わされているのか、
これといったヒットを飛ばすことは、できませんでした。
それでも P-Productionは、しぶとくライダー路線を追い続け、「ライオン丸」のライダー版のような、
今度は 「虎がバイクにまたがって怪人と戦う」という異色作というには、
あまりに突っ込みどころの多い(爆笑)怪作「鉄人タイガーセブン」を製作。
これまた【マイナー中のマイナー】という、不動のスタンスを得るのでありました。
その後も、1980年に フランスとの共同制作で、
再び猫科の猛獣をモチーフにしたヒーローが登場するSF作品の『シルバージャガー』が企画され、
パイロットフィルムが製作されました。
が、放映は実現しませんでした。
「ウルトラマン」、「仮面ライダー」という強敵に、
常に勝ち目のない戦いを挑み続けた P-Production。
そして 円谷プロにも、東映にも、ついに勝つ事のないまま、
最後までマイナーな存在のままで終わった P-Production。
・・・しかしその存在は、Tokusatsu の歴史において、非常に重要だった事は、
間違いないと思います。
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